キレート剤による自硬性プレ加水混練キャスタブル材の流動性劣化抑制の検討

摘要

近年，高炉樋，取鍋，タンディッシュ等の溶融金属用容器の内張りに使用される流し込み耐火物として，予め工場等の施工現場以外の場所でキャスタブル耐火物用粉体を水と混練し，これを施工現場に納入するプレミックスタイプのキャスタブル（以下プレミックス材）が使用されている。プレミックス材は，従来のキャスタブルと比べ添加水量が安定し，且つ十分な混練がなされているため施工体の性能のばらつきが少ない。また，現場で混練工程を必要としないので作業の省力化が可能で，粉じん発生が無く作業環境の改善を図れる等の利点を有する。しかし，プレミックス材は常温では硬化しないため，型枠に流し込んだ後，脱枠するには何らかの手段により材料を硬化させる必要がある。通常は加熱硬化法であるが，これは加熱養生のためのエネルギーロスや型枠の熱変形に対するメンテナンスにより施工コストが高くなる等の問題がある。