マグネシア質耐火物ヘのスラグ浸透挙動の直接X線観察と組織解析

摘要

マダネシア質れんがへのCaO－SiO_2-FetO－Al_2O_3系スラグの浸透挙動を浸透時間300s以劄1593Kから1793Kの溫度範岡において，Ⅹ線透過裝置を用いたその場観察と実験後の試科の解析により調べ，以下の結果を得た。 1）スラグの浸透速度は速く，10秒間で20mmに達す　 るものがある。 浸透高さは時間の1/2乗に比例し，この結果はWashburnの式から得られる浸透初期の　 浸透速度式と形のうえで一致する。 2）浸透速度ほ試料の気孔率31％の方が18％のものより大きく，スラグ中のT.Fe濃度の増加,塩基度　 の減少，溫度の上昇に伴って大きくなる。 3）2）の結果は上記浸透速度式を用いて定性的に説明できる。 4）気孔率18％の試料では,スラグは太い気孔（幹狀）　から椰い気孔（杖狀）に浸透し，気孔率31％の試料　 では，試料の下から上へと均等に浸透すると考えら　 れる。 さらに大きな気孔（空隙）では，商談料とも，　 空隙はすぐに充填されず，スラグはまずMgO粒表　 面を伝って上昇し，次に空隙が満たされるものと考　えられる。5）浸透スラグはれんがのMgOを溶出する.一方で，MgO粒に酸化鉄が吸収されていく。Al_2O_3含有スラ　 グでは,Al_2O_3がMgOと反応してスピネルを生成す　る。生成スピネルはスラグの流路徑を減少させる結　 果，一定時間経過後の浸透速度は著しく低下する。