2ストローク低速ディーゼル機関の熱発生率波形の解析（第1報熱発生率データ解析結果の検討）

摘要

2ストローク低速ディーゼル機関は燃焼に対し時間的空間的に余裕があるため燃焼行程内でほぼ燃焼が完了する．しかも予混合燃焼はほとんど見られず拡散燃焼のみの燃焼形態となる．このため，熱効率改善は燃焼の改善よりも，シリンダ内最高圧を一定にした条件のもと，圧縮比の最適化，膨張比の拡大，線図係数の最適化，パワーディレイティング（平均有効圧を下げて熱効率を改善する法）等のサイクル効率改善で行われてきた．しかし，最近の粗悪油燃焼，高出力化，排気ガス対策等に対応し，本種機関でも燃焼機構を明確にする必要がでてきた．