骨構造を考慮した骨粗鬆症の新しい超音波診断法－海綿骨の骨量と骨質の新しい定量計測法の提案

摘要

骨粗鬆症の診断は海綿骨部位のX線吸収量を用いて骨密度を測定する方法が広く用いられている．超音波法は骨の弾性的性質を評価できる可能性があると期待されているが，測定値は骨密度［mg/cm{sup}3］ではなく音速(SOS)［m/s］と減衰量(BUA)［dB/MHz］である．超音波パラメータの問題点は骨密度との関係が不明確である点と測定値の再現性である．超音波法の問題点を解決する新しい原理に基づく超音波式骨計測装置を開発した．試作機LD-100は海綿骨内を伝搬する2種類の縦波，高速波と低速波，に着目して超音波の伝搬経路をモデル化し透過超音波を式で表現した．これらの式に基づいて海綿骨の骨密度と弾性定数を実単位［mg/cm{sup}3］，［GPa］で測定できる．X線法のpQCTにほぼ匹敵する分解能と再現性を得た．また，骨密度と骨質の概要を超音波ビームの走査と自動計測アルゴリズムを用いて2次元画像表示した．