排気湿度を指標としたコニカル乾燥工程における結晶水分変化のリアルタイム計測技術

摘要

発酵法によるアミノ酸製造プロセスでは，菌体分離·レジン処理·脱色ろ過·濃縮·晶析·結晶分離·乾燥を経て最終製品を取得することが一般的である(図1）。乾燥工程では流動層乾燥機やコニカル真空乾燥機が用いられることが多い。コニカル真空乾燥機は，密閉空間，かつ間接加熱をおこなうため異物混入リスクが少ないという利点を有し，医薬品や医薬品原料製造の分野で広く採用されている。一方で，その目的から高頻度でのサンプリングは好ましくなく，乾燥開始から終了までの水分変化を厳密に把握しながらの乾燥が難しいという課題があった。そこで我々は，湿度センサーを使用し，コニカル乾燥工程の水分蒸発速度のリアルタイム計測をおこなうことで，乾燥機中製品の結晶水分変化を予測することを試みた。