EU連合により廃棄電気,電子器機指令(WEEE:Waste Electrical and Electronic Equipment)および電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令(RoHS:Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment)が発せられ,おそくとも2006年以降加盟国は,上市される電気,電子機器に鉛,水銀,カドミウム,六価クロム,ポリ臭化ビフェニール(PBB),ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)を確実に含有しないことが定められた。 これに伴い電気,電子機器に使用する材料,製品に対象の有害物質を含有しないことを確認する必要が生じた。 電気,電子機器の構成材料はプラスチック,ゴムが主要であり,その中の有害金属を分析するためには原子吸光光度計を用いることがたいへん有用である。 ICP発光装置を用いることも可能だが,原子吸光光度計のグラファイトファーネス法はICP発光装置より高感度な測定が可能であること,また測定対象元素数が多くなく同時分析のアドバンテージが少ないこと,初期導入コスト,ランニングコストがICP発光装置より少ないことなどが,原子吸光光度計が有用である理由として上げられる。 今回は,プラスチック中の有害金属の前処理方法および測定例を紹介する。
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