超音波による多孔質すべり軸受の油膜厚さ測定（軸回転時の動的油膜厚さ測定）

摘要

著者らは前報において，多孔質焼結すべり軸受を試料とし，まず軸受外周面から油膜に超音波を入射した場合，軸－軸受間に存在する油膜厚さと超音波反射波振幅との関係を理論的に算出した．次に，軸静止状態において，既知の油膜厚さと超音波反射波振幅との関係を実験的に測定した．さらに両者の関係から，油膜からの超音波反射波振幅を測定することで，多孔質焼結すべり軸受においても，一意的に油膜厚さの定量的測定が可能であることを明らかにした．本報では，多孔質焼結すべり軸受に対して油膜厚さを定量的に測定する方法として，前報と同様に超音波反射波振幅の測定による方法を適用する．ただし，ここでは実機を想定し，軸回転型実験装置の設計·製作を行った．この装置を用いることで，軸回転状態における多孔質焼結すべり軸受の超音波による油膜厚さ測定を可能とし，さらに軸の回転速度およびクリアランスなどをパラメータとし種々の検討を加えている．