家電製品の最近の動向－電気掃除機(5)－家庭用サイクロン掃除機の開発

摘要

家庭用掃除機は2000年までの約15年間、紙パックタイプの商品が主流となっておりました。 その中で当社は業界に先駆けて、紙パックを使わず、吸い込んだゴミと空気を遠心力で分離しゴミを吸ってもパワーが落ちない新吸塵方式（サイクロン方式）の開発採用により、ゴミ取り性能の優れた、クリーンな掃除機として「サイクロン掃除機」を発売致しました。市場では、排気クリーンを追求した排気循環方式、邪魔なコードを無くしたコードレス方式等も投入されて来ましたが、ここ1年で当社が目指していた掃除機の本質である良く吸うサイクロン掃除機に移行しつつあると考えます。 サイクロン掃除機は吸込んだ空気をカップ内で高速旋回させ、ゴミと空気をしっかり遠心分離させ強力なパワーを持続できます。 サイクロンの特性であります遠心力でゴミと空気を分離する性能を向上させる為には、ダストカップに導入される空気を最もロスの少ない方向（接線方向から導入）から流入させる事が必要です。結果的に、サイクロンは紙パック式のように風の流れが直進でない為、吸引力の目安でありました吸込仕事率は低下致しますが、ゴミ取り性能は変わりません。サイクロン掃除機の特長である、吸引力が強い、軽量コンパクト、排気の臭いがしない、ゴミ捨てが簡単等の使いやすさと、紙パックがいらない経済性、健康志向、環境志向は、お客様のニーズの高まりと相まって今後とも伸びつづけるものと考えます。 当社は軽量コンパクトを追求し熟年者にも好まれる手元サイクロン掃除機と各社が商品化してきた本体サイクロンの2タイプの開発技術について紹介します。