インバータ電車25年·インバータ電車開発の頃：大阪市交通局におけるVVVFインバータの開発経過について(1)

摘要

近年，新造される電車の制御装置はすべてVVVFインバータ制御であるといって過言でない．大阪市交通局においても地下鉄車両の76％がVVVFインバータ車となっている．現在使用されている半導体素子はIGBT素子などが主流であるが，大阪市交通局がVVVFインバータについて具体的な検討をしていた1981（昭56）年頃はRCT素子を使用するかGTO素子を採用するかといった段階であった．当時大阪市交通局技術部車両課で車両の設計や現車試験の一端を担当した筆者が，25年前を思い出してGTO素子を使ったVVVFインバータ制御装置で現車試験を実施するにいたった背景などを交えながら，「開発時期」から「量産化」までを，記憶をひもときながら紹介する．