千葉県南部地域におけるパッションフルーツの果実生育期間と果実品質につい

摘要

［目的千葉県南部地域における新たな熱帯特産果樹としてパッションフルーツが露地で栽培できるかどうかを明らかにするため，果実生育に要する期間と積算温度および果実品質について明らかにする．［材料および方法］　‘サマークイーン’を供試した．前年秋に挿木し，加温施設で樹高1．6mに養成した大苗を晩霜の発生がなくなる2007年5月14日に千葉県農業総合研究センター暖地園芸研究所（館山市）の露地ほ場に定植した．逆L字仕立て12樹，棚仕立て3樹の計15樹を供試した．開花時に新鮮花粉を用いて人工受粉し，開花日を記入したぶどう用果実袋をかけ，袋内に自然落果した果実を収穫し1果毎に果重，横径，縦径，果皮色（目視，0；緑色～10；濃紫色）を調査した．続いて果実を2分割し，果肉重を測定した後，茶漉しで種子を除去した果汁について，デジタル屈折糖度計（PAL－1，アタゴ）により糖度を，中和滴定により酸度を測定した．