草地更新時におけるリン酸施肥量の新算出法:約3割の減肥が可能と試算される

摘要

草地造成、更新時におけるリン酸は、 播種した牧草の定着と初期生育に卓効が あるため、欠かすことのできない成分で す。これまで、その施肥量は図1(上現行の算出法）に示す通り土壌の'リン酸 吸収係数と有効態リン酸含量に対応した 計算式によつて算出することになつており、どのような場合でも最低20kg/ 10 aを施肥するという下限値が設定され ていました。根釧地域を対象に、過去に 調査された造成、更新対象草地の土壌分 析結果を整理したところ、原野や林を切 り開いて新たに草地を造成する場合（造 成）の土壌有効態リン酸含量は、レ、ずれ の年代でも平均5mg/100gを下回る 水準で推移していました（図2)。一方、 既存の草地を造成し直す場合（更新）、 1974-80年では3mg/100g前後と 低t 、水準で推移しましたが、81-2005年 では13mg/100g、 06-10年では 20mg/100g以上へと徐々に高まって いく様子が明らかとなりました（図2)。