持続的ノリ養殖生産の実現に向けて －ノリ新品種の保護と開発等への取り組み－

摘要

ノリ養殖生産は、この約20年間は概ね100億枚の生産を維持しています。年変動が大きいものの、昭和60年頃までほぼ一貫して生産は増大してきました。このことは、生産増大を支える新たな養殖技術の開発が行われるとともに、それらの技術が生産現場へ的確に導入普及が図られてきたことの賜であります。特に、コンコセリス（糸状体）の発見（昭和24年）、人工採首の実用化（昭和31年）、ノリ綱冷蔵技術の実用化（昭和40年）、浮上筏の普及（昭和46年）、計画生産の開始（昭和49年）、大型全自動乾燥機の導入（昭和52年）など、ハード、ソフト両面から養殖生産の増大に寄与してきました。また、各地では海域の特性に対応した生産性や耐病性に優れて色艶の良い優良な株の確保が行われるとともに、平成4年には全国海苔貝類漁業協同組合連合会が交配により開発した「暁光（ぎょうこう）」が、新品種としては初めて種苗法に基づき品種登録されました。