TDMRのためのアレイヘッドにおけるリーダサイズ余裕に関する一検討

摘要

シングル磁気記録（SMR：shingled magnetic recording）による二次元磁気記録（TDMR：two-dimensional magnetic recording）では，トラック間干渉（ITI：intertrack interference）を低減するために二次元信号処理方式を適用する．本稿では，グラニュラ媒体モデルを用いたヘッドスキューを伴うTDMR記録再生系に，リーダサイズの異なるアレイヘッドを適用し，TD-FIR（two-dimensional finite impulse response）フィルタを備えたPRIML（partial response class-I maximum likelihood）方式のビット誤り率（BER：bit error rate）特性を求め，アレイヘッドのリーダサイズ余裕について検討をしている．その結果，ITIやシステム雑音の影響を低減するために補助的に導入するリーダのサイズは85%～190%と変わっても，BERへの影響は小さいことが明らかとなった．また，復号対象トラックを再生する目的を持っリーダが，ITIの影響をできるだけ受けにくいように挟トラック化されることで良好なBER特性を得られることが明らかとなった．