疫学的見地からdFrom a View Point of Epidemiology

摘要

わが国では1960年代からがん死亡が増加している。 がんの年齢調整死亡率でみると上昇していないので，がん死亡数の増加と粗死亡率の上昇は，わが国の高齢者人口の増加を反映したものであるとみられる。 乳がんや子宮がんのように，すべてのがんの羅患率が年齢と共に上昇するとは限らないが，胃がん，結腸がん，肺がんなどの他の多くのがんは高齢になるにつれてがんの羅患率が上昇している。 掛こ，最近の高年齢層での死亡率の著明な上昇傾向の理由は明らかでないが，1）肺炎?脳卒中などの他の死因の減少，2）診断技術の進歩による高齢者がんの診落としの輝久　 3〉過去の食生活や高喫煙率の影響の顕在化などが挙げられる。疫学的見地から宅イヒとがんの関係を考察すると，年齢は時間の指標であり1発がん?促進物質の暴需量も時間と共に累積し，これに伴いDNAの像変異も時間と共に増加するため，老化とがんに関係があるように見えると考えられる。