VA菌根菌の活用について-VA菌根菌資材の開発一

摘要

人を取り巻く環境には、多くのさまざまな 微生物が存在しますが、土の中にいる微生物 に目を向けますと、植物の根の周りに膨大な 数の微生物が生息しています。これらの微生 物は何らかの形で、植物や他の微生物に影響 を与えています。例えば、植物に寄生して増 殖して植物に何らかの病害を発生さたり、植 物に共生し植物と密接な関係を築き植物と共 に生活をする微生物などさまざまです。この植物と共生関係を築く微生物の代表的 な例としてマメ科植物と根粒菌の関係（空気 中の窒素を固定化して植物に供給する関係） が良く知られていますが、この根粒菌のように^!物と共生関係を作るVA菌根菌と言う 微生物も存在します。菌根菌とは、「菌根菌」 を「菌根」と「菌」に分けて考えると判りや すいと思います。「菌根」とは、菌が共生し た状態の根のことを言い、「菌」が「菌根」 を形成するので菌根菌と言います。VA菌根 菌という微生物は、4億年前の植物の化石か ら発見されたことが知られており、大昔の植 物が陸上へ進出する時に影響を与え、植物に 対して何らかの働きかけをしていたと推測さ れています"。これまでの研究により、VA菌根菌は糖などの栄養を植物から受ける見返 りとして、植物の生育に必要なリンゃ微量要 素を植物に供給する微生物である2)ことが 判り、その特性を利用した資材の開発が行われました。ここでは、VA菌根菌、VA菌根 菌を活用した資材及びその使用方法と資材を 使った時の効果について紹介します。