日本産養殖マダイの韓国向け輸出の現状と課題

摘要

マダイ輸出量は、為替や関税の変化、韓国での消費や生産動向、食品の安全性に関する認識などに影響される。本稿では日本の統計デ—タと韓国での消費動向調査から輸出商材としての養殖マダイの可能性を考察する。日本の養殖魚類は、これまでもっぱら国内向けに供給されてきたが、国内需要は長引く消費低迷ゃ少子高齢化の進行などによつて落ち込み、好転を期待することは難しい状況にある。一方で海外に目を向けると、水産物消費は大きく伸長しており、国内の各産地では世界の巨大市場をタ—ゲットとして輸出拡大に向けた動きを活発化させている。本稿では、養殖マダイの輸出に焦占〖を当て、その現状と課題について養殖マダイ輸出が最も多い愛媛県の実態に沿って見ていきたい。