少数のパスの再構成で予測困難な環境変動に適応可能な仮想ネットワーク構成に関する検討

摘要

クラウドストレージサービス等の様々なネットワークサービスが普及するにつれ、ネットワークを流れるトラヒック量やその時間変動が増大している。このような大容量で時間変化の大きなトラヒックを効率的に収容する方法として、光ネットワーク上に仮想ネットワークを構築し、仮想ネットワークを動的に再構成する手法が提案されている。仮想ネットワークを再構成する際には、再構成中もサービス品質を維持するために、再構成の影響を受けるトラヒックを可能な限り少なくすることが望ましい。しかしながら、構築された仮想ネットワークによっては、環境変動への対応に大規模な再構成が必要となる可能性がある。そこで、本稿では、環境変動に少数のパスの再構成で対応可能な仮想ネットワークが持つ特性を明らかにする。本稿では、環境変動に対応して進化する生物が持つ特徴に着想を得た、環境変動に少数のパスの再構成で対応可能な仮想ネットワークを判別可能な指標を提案する。シミュレーション評価により、少数のパスの再構成でトラヒック変動に対応可能な仮想ネットワークを提案した指標により判別できることを明らかにする。