異国の文化に触れて

摘要

料理人は音楽や絵画にも造詣を深めよと言われる． 客を喜ばせる店の雰囲気作り，器選びから料理の色合いまで，料理の腕以外のセンスも問われるからであろう． 10年ほど前． 知人の画商（香道の家元）が甲斐駒山麓にある別荘で開かれたワイン会に招いてくれた． そのとき暖炉の左手の吹き抜けのqに掛けてあった石膏の彫刻画が目に入った（写真1).作者はBill Mackというアメリカ人で，当時あまり絵画には用いられない石膏やシリコン。アクリルといった材質を使い． ユニークな作品を制作して注目されていた． この作品が気に入り，購入したいと思ったが，画商は“パンドラの箱”と題して数百万円の値をつけていたので手が届かなかった． その後も別荘に行くたびに，その彫刻画はいろんな表情を見せてくれ，別荘の周りの自然環境の美しさと相侯って多彩な発想を生んでくれた．