バイオマス活用プロセスの開発と地域創生モデル

摘要

近年，再生可能エネルギー活用に対する関心が高まっている.その背景として，CO_2由来の気候変動を抑制し，石油資源への依存度を低減する世界的な動向がある.しかし，エネルギー価格として単独に見るならば，再生可能エネルギーは石油ベースのそれに比べ当面高コストとならざるを得ない.したがって，再生可能エネルギーを本格的に活用するには，コストアップを最小限に抑えることのできる技術を開発するとともに，それを導入することでトータルなプロフイッ卜を生みだす社会実装の考え方やビジネスモデルが必要と思われる.その意味から，再生可能資源の中でもバイオマスは，食料生産との連携が可能であること，地域社会や非産油国の社会基盤再構築に資すること，エネルギーだけでなくマテリアル利用を含めた幅広い活用ができることなどの点で，きわめて重要な役割をになう開発課題と考えられる.