第3報告三田農林（株）?岩手林業（株）の森林経営の展開

摘要

岩手県盛岡市にある（株）三田商店グループの中の三田農林（株）と岩手林業（株）の林業を取り巻く企業経営について説明する。三田農林（株）は、創業者三田義正が1910年に盛岡市で起こった大水害をきっかけに治山治水の必要性を感じ、私財を投じて上流域の山林を購入して植林していったことに始まる。現在の森林面積は盛岡を中心とした岩手県に959ha、北海道に860haある。岩手県では蓄積の97％が針葉樹、北海道では64％が広葉樹によるものである。齢級別面積では16齢級以上が岩手県で43％、北海道で40％を占める。年間伐採量は3,300～4,300m3の間で以前よりは増加基調にあるものの、60年ほど安定している。主な樹種は岩手県ではスギ、アカマツ、カラマツであり、北海道ではカラマツ、グイマツ、トドマツ、アカェゾマツ、マカバ、シラカバ等である。