持続可能な社会構築に向けての学校における科学教育への期待ー国際化、IT化時代に参画可能な放射線原子力教育を推進するための人材育成の観点からー

摘要

理数教育の充実が謳われた学習指導要領による教育活動が、小学校では平成23年から始まり、順次、中学校、高等学校と全面実施される（当然ながら前倒し的に取り組んでいる学校も多い）。ここでは、単に習得すべき知識やスキルの量が増加したというだけではなく、まして、いわゆるゆとり時代に削減された内容がそのまま復活されたということではない。これからは、量的だけでなく科学教育の質的な向上が期待されているのである。科学教育の質的な向上とは何か。本稿では、放射線原子力活用をはじめとしたその背景となる科学技術と社会との相互関連を踏まえ、これからの日本の科学教育の在り方を探りたい。