第34回メソ気象研究会の報告ー熱帯域の降水を伴うメソ擾乱の観測とモデリングー

摘要

第34回メソ気象研究会は，「熱帯域の降水を伴うメソ擾乱の観測とモデリング」というテーマで，秋季大会前日の2010年10月26日（火）に京都大学宇治おうばくプラザにおいて開催された，熱帯では，潜在不安定な成層が一様に広がる環境のもとで，クラウドクラスターのような数十～ 数百kmの大きさに集団化したメソ対流系が発現することが知られている，メソ対流系の発達に．より大きな水平規模を持っ擾乱や熱帯波動が関係している一方で，メソ対流系自身による潜熱解放が擾乱や波動の発生源になるともいわれている，このように，中緯度帯の傾圧不安定波に比べ一般性の高い理論構築が難しい熱帯擾乱の複雑さが，メソ対流系の発生予測をはじめ，熱帯域の予報精度の向上を阻む原因の一っになっている，しかし近年，衛星観測の高精度化や，非静力学雲解像数値モデルの性能向上により，メソ対流系と大規模擾乱との関係を調べる手段が飛躍的に充実し，マルチスケール相互作用の理解が進展しようとしている，本研究会では，熱帯域の降水過程やメソ提乱に焦点を当て，6名の方に最新の研究内容を紹介して頂いた，メソ気象研究会では，伝統的に中緯度の現象を対象とすることが多いが，今回は熱帯という普段と異なるテーマであるにもかかわらず。95名の参加者があった。