社会システムを支えるセンサネットワーク技術：省電力型センサネットワークシステムの現状と今後の展開

摘要

著者の研究グループでは，2002年度よりハードウェア技術を中心に無線センサネットワークの研究開発を進めてきた．この分野は，ハードウェア技術とソフトウェア技術の融合領域であるという特徴があり，数多くの応用システムへの展開が期待されている．それゆえ，今後大きく発展する可能性を有する．そしてそのことが多くの研究者や技術者を惹きつける大きな魅力となっている．一般にユビキタスシステムでは，「省電力」が必須の要件である．限られたエネルギリソースを使って性能／消費電力比を最大にする設計方針が最優先されるからである．本稿では，電池駆動で低消費電力化を追及する，すなわち省電力型に分類されるセンサネットワークシステムについて，現状と今後の発展の予測を述べる．