美星スペースガードセンターの観測活動

摘要

1958年のスプートニクの打ち上げ以来,宇宙に飛び交う人工衛星やスペースデブリの数は増大の一途である。 日本では自国が打ち上げた人工衛星自身のもつシステムによって，電波を送受信することによって，軌道を決定している。 これまでは，他国の人工衛星やスペースデブリを積極的に検出することはなかった。アメリカのNORAD（North American Aerospace Defense Command：北米航空宇宙防衛司令部）が現在のところ，人工衛星とスペースデブリの軌道決定の中心となっており，約9,000個のものを把握しており，そのカタログをTwo Line Elements（TLE）として公表している。 日本宇宙フォーラムが建設した美星スペースガードセンターにおいて，特定非営利活動法人日本スペースガード協会が光学望遠鏡を使って，人工衛星とスペースデブリを観測し始めたのは2000年2月のことである。 これにより，日本ぞも独自に軌道を決定する光学システムをもったことになる。 ここでは，ここ2年間に行った興味深い観測結果を示し，2002年2月に導入されたモザイクCCDカメラ付き1m望遠鏡によってなされる今後の観測の展望を示すことにする。