Sr-La-Co系フェライト焼結磁石の角型比に及ぼす磁気異方性定数の影響

摘要

高温におけるSr_(1-x)La_2Fe_(12-x)Co_xO_(19)（x=0-0.4）焼結磁石のH_k/H_(cJ) が低下する結晶配向度以外の主な要因を知るために，(Ku_2/Ku_1)との関係を調べた．H_k/H_(cJ)は温度上昇に従い低下する．室温以上においては，x値が増加するとH_k/H_(cJ)に及ぼす(Ku_2/Ku_1) の影響が大きくなる傾向である．（Ku_1+Ku_2）は磁化容易方向における結晶の配向に有益であるが，Ku_2は互いに45度異なる結晶磁気異方性を有し，一軸性の結晶磁気其方性が損なわれる．また，六方晶の一軸磁気異方性の磁気トルクを表わす式を用いた計算では，(Ku_2/Ku_1)を特に大きくすると，磁化容易方向が広く分布することになる．(Ku_2/Ku_1)の過度な増加は，H_k/H_(cJ)の向上には必ずしも効果的ではない．