温暖化をおさえる磁気冷凍用材料への展開

摘要

地球規模で起きている温暖化に関する現象は深刻な問題として議論されることが多くなってきた．磁気冷凍はこれら問題の有力な解決の手段の1つになることが期待される．磁気冷凍の実現を目指し，希土類元素を含む多くの磁性体の開発·研究が活発に行われている．数多い候補物質の中で，本稿で紹介したように，希土類元素と水素の強い親和性や，ランタノイド収縮によるイオン半径の違いなど，希土類元素の特色を利用した特性制御によりLa(Fe{sub}xSi{sub}(1-x)){sub}13を基本とする化合物は室温以下の広い温度領域において優れた特性を有するので磁気冷凍用材料として有望視されている．現在，室温磁気冷凍の実用化に向けて熱効換率を高めるための球状La(Fe{sub}xS{sub}(1-x)){sub}13化合物の研究も進められている．