空気流通型充填層による炭材内装ペレットの熱炭素還元

摘要

空気流通型充填層による炭村内装ペレットの熱炭素還元プロセスの可能性について，製錬に適合しうる種々の粉原料で炭村内装ペレットを被覆したペレットを用いた定温還元試験および小型充填層を用いた熱炭素還元試験より基礎的に検討し，以下の知見を得た。 定温還元試験において炭村内装ペレットを粉原料で被覆することにより生成金属鉄の再酸化が抑制できることを確認した。 この効果は石灰石やドロマイト等のCaO系原料に比べ蛇紋岩やSiO_2試薬等のSiO_2系原料の場合に高く，SiO_2試薬を被覆した試料の金属化率は70％に達した。 SiO_2試薬を被覆した試料を用いた小型充填層による熱炭素還元試験では，被覆層がペレットの収縮に追従せず崩壊したため，金属化率は最大でも45％程度であった。 被覆層の溶融促進を目的に，被覆材としてCaO－SiO_2－Al_2O_3系混合粉を用いた熱炭素還元試験においては金属化率が約60％の還元鉄が得られ，生産速度に改善の必要性が見られたものの，高炉原料としての部分還元鉄製造の可能性が示唆された。