溶融アルミニウムめっきSUH409L鋼板の耐候性

摘要

溶融アルミニウムめっき鋼板（以下，Alめっき鋼板と記す）は，優れた耐食性，耐熱性，耐候性を有していることから，自動車排気系材料，熱器具材料や建築材料として広く使用されている。とくに建築分野では，工場や倉庫などの屋根，外壁材に用いられている。また，10年以上の大気暴露試験において，Alめっき鋼板は優れた耐食性を示すことが報告され，長期耐久性を期待できる材料として認識されている。 近年，自動車分野においては車体の長期保証下にともなう各部材の長寿命化，建築分野ではウオーターフロント等の厳しい腐食環境におけるメンテナンスフリー化を達成するために，さらなる高耐食材料が望まれるようになってきた。 これらの市場ニーズに応えるため，ステンレス鋼板をめっき素地鋼とした溶融アルミニウムめっきステンレス鋼板が開発された。 これまでに，溶融アルミニウムめっきステンレス鋼板は，各種の腐食促進試験での評価結果から優れた耐食性を有すると報告されている。しかし，大気腐食環境下における腐食挙動に関しては，数年間の大気暴露結果しか報告されていない。