粉体の計量と精度の実務的解説 第1章 粉体を計量するということ

摘要

液体の計量は，身近なところでは目盛の付いた容器を用いて行われている。通常の液体は圧力に対する圧縮性がほとんどなく，温度によって密度が決まるため，温度を管理すれば容積式流量計を用いて目的とする量を計りとる（計量する）ことが容易である。たとえば水の場合，20℃付近で温度変化に対する体積の膨張は0.02%／℃程度と小さいため，通常の大気温の範囲内では温度補正をしなくても，小さな誤差に収まる。もちろん，液体を容積式でなく秤量器付き容器，または秤量器に乗せた容器などを使って計ることもできる。気体の場合は一般に容積式の流量計を用いて計られ，温度補正されることが多い。気体と液体を含め，流体用には質量式流量計も用いられる。コリオリの力を利用するものと分子の拡散を利用するもの（熱式）があり，これらを用いれば連続的に管内を通過させながら質量を検知して計り取ることが可能である。