自転·超音波ナノ分散機「PR-1」を用いたCNTの分散技術

摘要

日本国内でのカーボンナノチューブ（以下，CNT）の基礎研究が最も盛んであったのが2004年であり，その当時，CNTの複合材科を作成し，さまざまな特性（弾性率，熱伝導，導電性など）が相次いで研究論文で報告された。1991年に飯島澄男博士によりCNTが発見され今年（2016年）で25年になるものの，未だにCNTを使った具体的なモノづくりについては，大学での研究室レベルで留まっている印象がある。産業化を困難にさせている理由の一つに分散手法や評価方法が確立されておらず，特にCNTをどの装置を使用し，どの程度まで分散させれば良いかの明確な指標がないことが挙げられる。また，CNT 自体の分散手法は大学で確立した手法が基となっているため手作業が丸く，現状の手法は企業での研究開発·量産化に向いていないという点もある。