マイクロ波プラズマによる固体物質中の有害化学物質の分解技術

摘要

近年、自然界には存在せず人間の生活活動に伴い意図的·非意図的に生成するPCBやダイオキシン類（DXNs）等の有害有機化合物が環境汚染や人や動植物への悪影響を引き起こすことが懸念され、大きな社会問題となっている。 特にDXNsは一般廃棄物などの焼却処理時に炉内もしくは電気集塵機内で非意図的に生成し、排ガス中へ拡散したり飛灰中へ濃縮したりする。 そのため、排ガスの場合は活性炭などの吸着材斜による吸着除去が、焼却飛灰の場合はセメント固化やガラス固化による安定·無害化処理が行われ、その後、管理型最終処分場で埋立処分が行われている。 排ガス処理に用いられた吸着材科は、使用後DXNsのような有害有機化合物を多量に吸着しているため、現状ではそのまま廃棄することができず焼却処理されている。 汚染吸着材科の焼却は、国の掲げる3Rの推進に逆行するものであるが、これを焼却処理し新たな吸着材科を補充する方法が経済的であることや、吸着汚染物の高効率な再生法が存在しないためにやむを得ない面もある。