小口径人工血管7－1人工血管基盤の開発その2組み

摘要

心疾患の治療に用いる人工血管の中で、直径6mm以上の大口径ならびに中口径の血管には、それぞれポリエステルや拡張ポリテトラフルオロテレン（ePTFE）が実用化され、満足する結果が得られているが、肢バイパス手術や冠動脈バイパス手術などに必要な直径6mm未満の小口径人工血管は、移植後に高確率で閉塞するため、満足する結果が得られておらず、現状では自己動脈や自己静脈が移植されている。小口径人工血管の主な閉塞原因は、血栓形成や細胞の過増殖による内膜肥厚であり、これらを抑制するには、移植早期に人工血管の内表面に血管を組織する内皮細胞が生者することが重要である。