EU(欧州連合)によるRoHS指令(有害物質使用制限指令)により,特定有害6物質の製品への使用が厳しく制限され,製品を構成する部品に含まれる化学物質の管理が非常に重要となっている。なかでも六価クロム(Cr(VI))は唯一,価数による管理が求められており,その分析は容易ではない。Cr(VI)の分析法として,熱水による抽出が代表的な方法とされているが,高精度な分析法は確立されていない。そこで東芝は,金属材料表面のクロメート皮膜に含まれるCr(VI)の分析技術として,X線吸収微細構造(XAFS:X-ray Absorption Fine Structure)分析による非破壊の定量分析法を確立した。また,化学分析法として水酸化リチウム(LiOH)水溶液を用いた抽出法を開発し,従来法よりも高い回収率を実現するCr(VI)の分析法を確立した。
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