eXtreme Design Studioを拠点とした顧客との共創による新ビジネスの開発手法

摘要

クラウドサービスの発展に伴い，IT（情報技術）システムの開発スタイルはシステムの開発からサービスの開発へとシフトしてきた。IoT（Internet of Things）のように将来性の高い領域でビジネス機会を捉えるには，課題解決に前向きに取り組むビジネスマインドと企画実現のスピ」ド感が重要になる。東芝は，米国のPivotal Software，Inc．（以下Pivotal社と略記）とアライアンスを結んで同社のリーンスタートアップと呼ばれるビジネス開発手法と，アジャイルソフトウェア開発手法をベースにした顧客参加型の開発プロジェクト（以下エンゲージメントと呼ぶ）による開発手法を取り入れた。ビジネス企画の正当性を裏づける検証に利用可能なプロダクトを顧客と共同で短期間に開発し，効率的にユーザーの声を聞きながらビジネス企画をブラッシュアップしていくことで新規ビジネスのスタートアップリスクの最小化を図る。更に，当社のUX（User Experience：顧客の体験）デザインと融合させ，当社が推進する“モノ＋こと”の新たな顧客価値を創造するビジネスに向けて，“合意型のPoC（Proof of Concept）”の実現を図っている。共同作業スペースとして，都内にeXtreme Design Studio（以下XDSと略記）を開設し，この取組みを推進している。