ファイトレメディエーション-動向と技術としての可能性

摘要

ファイトレメデイエーションとは植物を用いた汚染土の浄化のことである。現段階では実用化された技術とはなっておらず，欧米を中心に研究開発が盛んに行われている。 対象となる汚染物質は重金属類，BTEX（ベンゼン，トルエン，エチルベンゼン，キシレン）類，ニトロトルエン等合窒素有機化合物，PCBなどの難分解性物質等多岐にわたっている。 浄化に用いられる植物もポプラなどの木本類，一般の草本類，さらにはシダ類まで多くの種類に及ぶ。 上記の汚染物質は植物によって吸収·蓄積·固定化されたり，植物の吸水能力により地下水への拡散が防止される。 一方，植物の存在によって根圏が形成され，根圏土壌微生物の活性が高まり，汚染物質の分解が促進される場合があり，これもファイトレメデイエーションのひとつと位置づけられている。