山のトイレの今日的事情

摘要

現在，日本の山岳は空前の賑わいを見せている。 とくに，深田久弥氏の著書『日本百名山』を制覇する登山形態が，中高年世代の健康，生きがい意識を刺激したらしく，中高年者の登山利用が飛躍的に増加している。 昨今の日本の登山者数を正確に示した資料はなく，数字による把握は困難であるが，各種情報によれば登山者人口は約600万人～800万人，そのうち約7～8割が中高年者（35～40歳以上）とされている。 登山利用の興隆は国民と自然とのふれあいが高まる観点からたいへん望ましいことであるが，中高年者主体の登山利用は各種の問題も生じている。