LNGを巡る最新動向と価格の動き:原子力発電所再稼働と電力需要がカギ

摘要

2011年3月11日の東日本大震災以降の原子力発電推進政策見直しによって、2012年5月5日には日本にある54基すべての原子力発電所が稼働停止の状態となった。日本の深刻な電力不足の状況をエネルギー面で支えたのは、カタールのLNGである。2011年におけるLNGの調達先としては、カタールの増加量が際立って多い（図表1）。カタールは2010年12月に年間7，700万トンという世界最大のLNG輸出能力を持ち、カタールの巨大な生産能力が日本の電力不足を支えたといえる。