黎明期の建築物から見た外装仕上げタイルの軀体保護効果:東京大学工学部3号館·学習院大学南1号館の調査から

摘要

タイルとはラテン語のテグラ（tegula）を語源とした用語で「覆う」，「被せる」といった意味を持つ。建物を覆うこのタイルは，特にわが国特有の多様な気象条件でも劣化，変色しにくく，酸やアルカリなどの化学的作用や，また火熱や磨耗に対する物理的作用に対して安定しているといった機能を有しており，さらには汚れがつきにくく落としやすいことからメンテナンス性にも優れた特徴をもつといわれ，このことから，建物の意匠性の他に耐久性などの各種機能を付与する仕上げ材として多用されている。