ますます需要高まる太陽電池―低コスト，材料と効率的製造技術開発が必要条件

摘要

軽量でフレキシブル，それが有機太陽電池の魅力的な特性である。低材料コストと効率的な製造技術が，それを経済的に製造する前提条件であることが明らかになっている。こうした条件の下で，有機太陽電池は電力の有力なソースたるべきポテンシャルがある。太陽電池の用途分野展開のための基準は，太陽エネルギー転換効率，長期安定性とコスト，太陽電池のそれぞれのタイプの特性（設計，フレキシビリティ，透明性，設置とメンテナンスコストなど）である。フィルムベースの太陽電池の高い機械的なフレキシビリティと非常に低い重量が，新しい用途分野の開発をすすめ，より効率的な設置方法を可能にしている。最近では，有機太陽電池の効率は6％まで向上してきた。太陽電池のコスト効率のよい製造のために，2つの条件が満たされねばならない。すなわち，材料の低コストと効率的な製造技術の使用である。これらの要件は，高価な透明インジウム錫酸化物（ITO）を不要にし，リール·ツー·リールコーティング技術と，その製造用構造を用いる新しい太陽電池アーキテクチャーによって満たされている。電力供給源としての作用に大きく寄与する太陽電池の開発の最初のステップは，高いフレキシビリティと低重量が競合上の優位性をもつような市場を確定することである。有機太陽電池の潜在的な初期市場は，小型携帯デバイスやエネルギー自生マイクロシステムである。ドイツのFraunhofer ISEは，この分野の研究では第一人者で，本稿は，その最新の報告である。