“日本型3PL”への模索と胎動：企業物流の課題とその解決,3PL事業者に期待される物流最適化－物流を可視化し市場に同期化,センター最適化で3PL展開へ

摘要

企業経営の現状を財務諸表からつかもうとする時，代表的な指標となるのが総資産利益率(ROA: Return On Asset)である。 ROAは利益/総資産で表され，これを高めるには分子の利益を大きくするか，分母の資産を小さくするかのいずれかである。 物流·ロジスティクスはそのいずれにも係わっている。 利益の増大は物流コスト削減によって，資産の圧縮は在庫の極小化，または物流施設のアウトソーシングなどによって実現できるからだ（図表－1）。 物流コストの削減領域を表したのが図表－2で，①物流活動と②在庫を枠で囲ったのはそれらの現場である物流センターと見ていい。 ロジスティクス，SCMも，具体的な活動の核となるのは物流センターであり，これを最適化することが企業物流の課題解決の第1歩だと私は考えている。