肝門部胆管癌と肝内大型胆管癌（肝門型肝内胆管癌)

摘要

肝門部に発生する胆管癌は，従来，肝門部胆管癌とこれに連続する肝内胆管に発生する 肝内大型胆管癌（肝門部肝内胆管癌）に分類されてきた。連続した胆管に発生するので，この 両者の肉眼像と組織像はほぼ同じと言えるが，肝内大型胆管癌は胆管周囲浸潤型とよばれ，肝 門部胆管癌は平坦および結節浸潤型とよばれる。組織像は，線維増生を伴った管状腺癌がほと んどであり，胆管周囲結合組織へ浸潤する。神経周囲浸潤がしばしばみられる。最近，欧米お よび我が国で，胆管に発生する胆管癌は，大きく肝内胆管癌，肝門部領域胆管癌，それに遠位 胆管癌に分類された。我が国での分類では，肝門部領域を人為的に設定しているため，肝門部 領域胆管に発生する肝門部領域胆管癌には，肝門領域胆管である総肝管，左右肝管合流部，左 右肝管に加え，肝内大型胆管，胆管小分枝，胆管周囲付属腺，肝門部領域に接する肝実質内に 発生する末梢型肝内胆管癌が含まれると思われる。