~(123)I-IMP SPECTによる光刺激前後の正常および痴呆を伴った高齢者の脳血流-痴呆の重症度別脳血流SPECT,視覚誘発電位に対する検討-

摘要

痴呆性疾患における光刺激脳血流SPECTの有用性について検討した.対象はアルツハイマー型痴呆8例,脳血管性痴呆9例,正常高齢者7例で, Clinical Dementia Rating(CDR)に基づき痴呆の重症度別に3群(Ⅰ群; CDR0, Ⅱ群; CDR0.5-1,Ⅲ群;CDR2-3)に分け検討を行った.脳血流は安静開眼時,光刺激時共に~(123)I-IMP SPECT(ARC法)を用いて定量した.また,同時期に視覚誘発電位(VEP)も測定した. SPECT, VEP共に光刺激にはIight emitting diode (LED)ゴーグルを用いた. VHPのP2潜時は痴呆の重症度に伴い遅延していた.安静開眼時脳血流はⅠ群に比し,Ⅱ,Ⅲ群では有意に低下していた.しかし, Ⅱ群Ⅲ群間に差を認めなかった.光刺激を行うと, Ⅰ,Ⅱ群では有意に脳血流は増加したがⅢ群では明らかな血流の変化は認めなかった.光刺激脳血流SPECTを用いることにより,脳細胞機能をより詳細に判定できる可能性が示唆された.