慢性閉塞性肺疾患診断におけるCTの役割

摘要

近年のCT画像の進歩によって，慢性閉塞性肺疾患（COPD）における肺気腫病変が的確に捕らえられるようになってきた．しかしながら，気腫性病変の局在性と肺機能との関連性には未知の部分が多い．また，早期の肺気腫病変を検出するには，病変の分布様式を考慮に入れたCT指標が必要である．さらに，COPDでは肺気腫病変と，肺気腫に原因しない気管支病変が独立して存在もしくは混在しているが，それを弁別することが治療上必要である．私共はこれらの課題について検討を加えてきたので，その成果を報告する．