特発性肺線維症/通常型間質性肺炎の組織診断上の問題点 特にconcordant UIPとdiscordant UIPを中心に

摘要

画像の精度は格段に向上し.特発性肺線維症/通常型間質炎（IPF/UIP)の診断の中核を担うようになってきている。特に肺全体における病変の広がり,病変の経過の観察においては病理診断の及ぶ ところではない。しかもIPF/UIPはびまん性間質性肺炎の代表的疾患であるが，得られる組織は極めて多様で，同一部位から採取された標本でも，少しずれるとまったく異なる組織所見となることがしばしば経験される。組織所見と画像所見とを正確に対比することで，お互いの利点が活かされ，病変全体の理解がより正確になり,診療あるいは病態の解明に十分資することが可能となる。IPF/UIP診断における組織の重要性を再確認したい。