下垂体機能低下症の診断と治療

摘要

下垂体機能低下症は，各種下垂体前葉ホルモンやそれらのホルモンの標的内分泌腺からのホルモンの測定，下垂体前葉ホルモン負荷試験およびMRIなどによる画像検査を離合せることにより正確な診断が可能となっている．本邦では厚生労働省の「間脳下垂体機能障害調査研究班」により，下垂体機能低下症の診断と治療の手引きが作成されている．本稿ではこれらのうち，最も多い副腎皮質刺激ホルモン（ACTH）分泌低下症や最近注目されている自己免疫性視床下部下垂体炎，成人成長ホルモン（GH）欠損症などにつき述べる．