Olanzapineの治療継続率から見たtreatment effectiveness

摘要

向精神薬の治療効果を考える上でtreatment effectivenessという考え方が用いられるようになっている.これは,症状尺度における反応性(efficacy)を個々に判断するのではなく,忍容性や安全性(tolerability),そしてアドヒアランス·継続性(adherence/persist-ence)などを総合的に評価し判断するということである.最近,抗精神病薬のtreatmenteffectivenessを評価する指標として治療継続率を用いた報告が数多くなされている.そこで,今回, effectivenes,特に治療継続率から見たolanzapineの報告を集積したところ,olanzapineは他の抗精神病薬よりも治療継続率で優れているという報告が数多くなされていた.実地医療の現場では,さまざまなエビデンスから各抗精神病薬の特徴を把握した上で個々の治療を最大化する必要があり, olanzapineは治療継続率の高い抗精神病薬の1つであることが今回示唆された.