EBウィルス関連リンパ増殖性疾患の病態と治療

摘要

EBウィルス関連リンパ増殖性疾患（EBV-LPD)は，EBウィルスが感染したリンパ球が体内で増殖する 疾患の総称である.慢性活動性（CAEBV),劇症型，進行性成人発症型（PAEBV),移植後（PT-LPD)と いう4つの型が知られている.発症年齢や伸展様式が異なるものの，自然経過では最終的にはEBウィルス 開連の血液腫瘍，白血病またはリンパ腫に移行して不帰の転帰を取る.適切な早期診断と，化学療法や造 血幹細胞移植によって白血病?リンパ腫への移行を食い止めることが必要である.これらEBV-LPDは欧米 では頻度が極めて低く，本邦からのェビデンスと情報発信が重要である.末捎血中EBV-DNAコピー数が診 断?病勢の変化?治療反応性の判断?予後予測?再発の判断に有用であり，一日も早い保険収載が望まれる.