下痢型過敏性腸症候群に対するラモセトロン塩酸塩(イリボー~R錠)の使用経験

摘要

男性の下痢型過敏性腹症候群(irritable bowel syndrome ;以下, IBSと略)患者を対象に,新規IBS治療薬ラモセトロン塩酸塩(イリボ-~R錠;以下,ラモセトロンと略) 5mugの1日1回投与による治療の有用性について調査を実施した.その結果,患者および主治医による評価において,対象患者55例のうち, 49例(89.1%)が?主訴とする症状が消失した,もしくは,かなり改善した?と判断され,高い改善率を示した.また,ラモセトロン投与前のIBS治療薬の使用有無にかかわらず,同等の高い改善率〔前治療薬なし:87.5% (28/32例),前治療薬あり:91.3% (21/23例)〕が示され,ラモセトロンによる改善効果は,初回評価時期である投与開始2週目に認められた.副作用に　ついては,硬便や排便困難感が4例,腹痛が1例の計5例(9.1%)でみられたが,重度と　判定された副作用は認められず,すべて軽度であった.以上　ラモセトロンは早期かつ確　実な効果発現と高い安全性を有するIBS治療薬であることが示唆された.