飲酒後に腹痛が強くなり来院した慢性膵炎臨床的疑診例と思われた1例

摘要

【症例】M．Y.,35歳，男性.主訴：上腹部痛，胸やけ，腹部膨満感.家族歴：特記すべきことなし.既往歴：特記すべきことなし.アルコール歴：ビール中ビン2本，チューハイ5合，ウイスキー水割り（ダブル）3杯をほぼ毎日約10年間，また最近少しずつアルコール量が増えてきたとのこと.来院時現症：体格中等，栄養良来院時検査所見：検尿；蛋白（－），糖（－），ウロビリ（正），アセトン（－），潜血（－）,検便；潜血（－）,末梢血；RBC519万，WBC6800，Hb16．2，Ht46．7，Plate26．6万,生化学；T．P6．8，Alb4．4，T．B 0．8，GOT16，GPT19，Al－P139，gammaGTP21，アミラーゼ78，BUN15，T．cho133，CRP（－）.臨床経過：ビール，チューハイそしてウイスキーをエタノール換算量で約300gをほぼ毎日10年以上の飲酒歴があった。 以前より深酒の後に上腹部痛，下痢等があったが，医療機関を受診することなく市販の胃腸薬を服用していた。 しかし，平成10年11月7日腹痛強度となり当院受診。