精神発達遅滞に伴う行動障害へのquetiapineの効果

摘要

精神発達遅滞に伴う行動障害において，従来の薬物療法では効果が不十分であったり，副作用が生じた症例に対して，非定型抗精神病薬であるquetiapine（以下QTP）を使用したところ，効果を認め副作用も回避することができた3症例を経験した。 特にQTPの抗コリン作用の少なさと錐体外路症状の少なさに注目して使用したが，それに十分応える結果であった。 本稿ではその要因や，同様の症例に対して今後QTPは十分に第一選択薬となりうるのかの可能性を考察した。